午前中、比企自然学校の里山センターで、市民の森保全クラブの会員の皆さんと一緒に、明日開催される東松山市環境未来フェアの出展準備をしました。ゴマやササゲなど、昼間の活動が終え帰宅してから、連夜、細かい選別の作業が続きましたが、やっと出展できる形になりました。皆さん、ありがとうございました。お疲れ様でした。
以下、会場展示パネルに使う文章です。

岩殿満喫クラブの紹介 (岩殿満喫クラブ副代表・澤田則茂)
 私が活動するボランティアグループの一つに岩殿満喫クラブというのがあります。面白いので紹介します。
 埼玉県の事業で「農との共生田園都市 豊かなくらし満喫事業」と言うのがあり、その流れを受けて活動している団体です。
 現在農地の遊休化、耕作放棄が増加していますが、特に耕作条件の悪い谷津田や棚田が著しく荒廃している状況にあります。
 しかしながら谷津田や棚田は景観的、文化的又は生態学的にみて価値の高いものであり、里山の構成要素として保全価値が高い農地です。岩殿、児沢の山林、畑、谷津田を一体として、再生・維持・管理しようという活動です。
 堅苦しい事はさておき、気軽に農業を体験したい人、本格的に農業を目指したい人、月に二、三回程度菜園で楽しみたい人、一週間に二、三回又は毎日のように田畑に出てみたい人、年に二、三回、若者とバーベキューでワイワイやりたい人、小中学生と田植えや稲刈り体験したい人等、農を楽しむ多様なパターンの人が参加できる間口の広いクラブです。
 一言で云えば「自然の中で気軽に楽しもう」、「時間を満喫しよう」といったところでしょうか。皆様も一度岩殿、児沢の農場を見学して見ませんか。ご案内いたします。休憩場も出来ていますよ。

※岩殿満喫クラブと連携、交流するグループは下記のようなところです。
 NPO法人比企自然学校、大東文化大学国際関係学部須田ゼミ(2年・3年・4年)・留学生、市民の森保全クラブ、農業・自然体験活動・グリーンツーリズムのグループ。農作業をしてみたい市民。自家用の米や野菜を栽培したい市民。無耕作農法研究グループ等。

岩殿丘陵谷津田の再生を目指して
<課題> 東松山岩殿地区では、農家の高齢化や米価の低下などにともない、耕作条件が悪い谷津田は耕作放棄地が拡大している。こうした谷津田は景観的、文化的、また生態学的に価値が高い。里山の構成要素として保全価値が高い農地である。
 谷津田の耕作放棄が進む一方で、自らの農地を持たない非農家の市民の中には、自ら農業を営んで安全で安心できる食料を自分で作ってみたいという自然・環境志向の人々が存在する。こうした人々の中には市民農園で家庭用の野菜栽培などを行う人々もいるが、米作りが行えるような市民農園はほとんど存在しないのが現状である。
<目的> そこで、谷津田を「市民田んぼ」として再生し、安心して食べられる自家用のコメを美しい自然景観の中で自ら作ってみたいという市民のニーズと結びつけることで耕作放棄地を少しでも解消し、貴重な里山環境を保全し、次世代により良い環境を伝え、安らぎのあるまちづくりに貢献することを目的とする。
<期待される効果> 農業従事者の高齢化や担い手の減少から耕作が放棄された谷津田は、集落から離れた作業効率の悪い立地条件があり、地権者・地元農家の力だけでは再生は困難である。「岩殿市民田んぼ事業」により、農作業をしてみたい市民や自家用の米や雑穀、野菜などを作りたい市民と地元農家との顔の見える交流、新たなつながりが生まれる。さらに管理農地に隣接する耕作放棄地や農道の草刈り、用水路の土さらい、雑木林の木陰(こさ)刈りなどの活動に岩殿・入山田んぼの会、地元農家と連携して取り組むことで、地元に根ざした活動が展開される。堆肥づくりや収穫した農産物の加工講習会などでの交流等を含めて、岩殿地区の農業の維持と地域活性化が推進され、美しい里山景観を次世代に継承していくことが期待される。