一丁200円の豆腐 →60.6円(100グラムあたり)
品名:にがりもめんとうふ
原材料名:長野県駒ヶ根市ギンレイ大豆
東京都青が島産海水にがり
内容量:330グラム
製造年月日:16.12.28
消費期限:16.12.31
保存方法:要冷蔵(1℃~5℃)
製造者:有限会社 山下商店
埼玉県所沢市下安松420
℡ 04(2944)……
プラ:PP
市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally
●大豆
食の安全が最近関心を集めております。弊社の主力商品の国産有機豆腐は、JAS有機認証に基づく栽培方法で作られた大豆を100%使用して製造されております。 有機農法で育った大豆だから 『安心で美味しい豆腐』 が出来ます。
国産有機大豆は年間1,000トン前後が栽培されています。弊社はその約10分の1以上の大豆を使用しており、安定的に国産JAS有機豆腐を供給しております。
工場もJAS認証工場に認定されておりますので、毎日の製造記録も整い、トレーサビリティー(履歴追跡システム)も確保されております。
●にがり
豆腐を作るときに 『にがり』 が必要なことはみなさんご存じの通りですが、最近合成凝固剤が多いですね。豆腐のパッケージで 『グルコノデクタラクトン』 と記載されているものです。 本当のニガリは海水を煮詰めた 『カンスイ』 から塩の結晶を取り除いたものです。
ですから海のミネラル分がいっぱい含まれているので体にもとっても良いものなのです。パッケージ表示で 『ニガリ(塩化マグネシウム含有物)』 となっているものが本当のニガリなのです。 また 『にがり(塩化マグネシュウム)』 となっているものは海外から海水、カンスイを輸入し日本の工場で豆腐を固める塩化マグネシュウムのみを精製したもので、海のミネラル分は除いているものです。
島田食品では、長崎県対馬産・伊豆大島産の海水を煮詰めて仕上げたにがり(粗製海水塩化マグネシウム)を使用しております。
にがりには、塩化マグネシウムを多く含むほか、海水のさまざまなミネラルも豊富に含まれています
●消泡剤
豆腐を煮るとびっくりするくらいの泡が立ちます。この泡を消すための添加物です。昔の豆腐屋さんでは油、石灰を使って泡を消しました。
近年消泡剤と言う便利で効率の良い添加物ができましたので、ほとんどの豆腐屋さんでは使用しております。パッケージ表示では 『グリセリン脂肪酸エステル』 と書いてあります。
このほかに 『シリコン樹脂』 なども使用しますが、これは表示義務がありませんので書いてなくても使用している場合があります。 『グリセリン脂肪酸エステル』 は摂りすぎると肝臓肥大、 『シリコン樹脂』 は肺機能障害などの危険性がいわれております。
島田食品の製品は消泡剤を一切使っておりませんので、安心してお召し上がりいただけます。
●有機JASマークとは
有機農産物および有機農産物加工食品の特定JAS規格を定め、規格に適合するかどうか検査を受けた結果、これに合格して有機JASマークが付けられたものでなくては「有機」「オーガニック」等の名称の表示をしてはならないという制度が導入されました。
これにより、「有機低農薬栽培」・「有機減農薬栽培」等の紛らわしい表示が規制され、有機JASマークは有機食品の適切な表示をしているものである目印となります。
●有機農作物とは(農林水産省パンフレットより引用)
たい肥で土作りを行い、種まきまたは植え付けの前の2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない田畑で栽培する。
遺伝子組み換え技術を使用しない。
栽培中も禁止された農薬・化学肥料は使用しない。
●有機農産物加工食品とは
原材料である有機農産物の持つ特性が、製造または加工の過程において保持されることを旨とし、科学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避けることを基本として製造された加工食品のことをいいます。 また、有機農産物および有機農産物加工食品の原材料に占める割合が95%以上であることが必要とされます。
広葉樹は針葉樹よりも比重が高く、直径が20㎝を超えて太くなると人手では動かせない重さになる。また、萌芽は若い切株からは出やすいが高齢樹になるほど出にくくなる。小面積の皆伐で日光が地面に届くようになると萌芽の生育が良くなるので、里山林の管理においては、「伐採と若返り」が最重要課題である。しかしながら、日本の森林の3割を占める里山全域の管理再開はほぼ不可能であろう。……このような現状から、人が入って管理しやすい場所や災害リスクが高い場所から管理を再開する必要があるだろう。また、子孫に里山を残したいかどうかなど、所有者の価値観の問題でもある。
西日本の低標高地にある放置里山林は、今後常緑中低木が主体の貧相な森林になることが明らかになってきた。しかし「それでも構わない」という選択もある。災害リスクの低い場所は放置しても困らないかもしれない。今回1度だけ税金を投入して整備しても、次世代の住民が15~30年後に何もしないで放置するなら、またナラ枯れが発生するなど、荒廃していく。山林として持続的に管理できる体制が作れないのであれば、発想を転換して、今ある樹木を伐ってしまったら森林に戻さないという選択もある。果樹、山菜園、花木や景色を楽しむ場所など、「これなら管理できる」という形態に変えることを推奨したい。(伊藤一幸編著『エシカルな農業』108~109頁)市民の森保全クラブでも里やまとして持続的に管理できる体制づくりは大きな課題です。
里山は荒れてきたから整備が必要という意識が、社会的に強まっている。しかしながら、里山を管理して資源を使った世代は80歳を超える方々で、その技術の伝承がほぼ途絶えた。若い世代は、行政も里山所有者も里山管理には無縁であり、そのために残念なことが起こっている。つまり「やってはいけない整備方法」の普及である。……伐採後の萌芽更新を待たずに、クヌギの若木を植え付けるような例がある。
各地で進む行政主導あるいはNPOやボランティアによる里山整備の多くは「公園型整備」で、人が散策して気持ちの良い林、見て美しい林を目標にしている。下草刈りや細い樹木の抜き切りをして大木は伐らずに残される。また「生物多様性を高める」ことを重視した広葉樹の植樹も人気である。これらは資源として利用していた里山林とはまったく異なる管理方法であり、整備後10年、20年後のことを考えていない点が大きな問題で、ナラ枯れ被害を増やす原因ともなっている。ナラ類の大木の多い森林、間伐(抜き切り)して風通しが良い森林、生木の伐採木が放置された森林では、媒介昆虫であるカシノナガキクイムシが多数飛来し、枯死被害を増やす。獣害防止に行われる帯状伐採でも、大木を伐らずに残した場所や伐採木を放置した場所でナラ枯れが発生している。獣害防止という目的であっても、森林の生態や病虫害に関する知識が必要な事例である。完全に勘違いの里山整備活動の代表例は、「散策路の整備」や「東屋の設置」が主目的で、樹木の管理は「道づくりの邪魔になる木を伐る」という計画であろう。ボランティアは趣味の活動ではないので、活動の結果には責任が伴う。基礎的な知識を得た上での活動が望まれる。
里山を継続的に管理するには、市町村の行政担当者による指導と様々な団体の交通整理が大変重要である。長期計画のないイベント的整備では「楽しさ」や「清掃のイメージ」が強く、伐採された樹木は「産業廃棄物」(ゴミ)として税金を使って焼却されることが多い。整備目的が不明確であれば、「森林の樹木は再生可能な資源」という認識が薄くなる。資源利用を考えずに管理作業を進めるのは本末転倒である。「伐採-資源利用-森林再生」のどれかを実施するのではなく、森林の持続性を確保するための一連の作業であるととらえたい。「伐採-資源利用-森林再生」のサイクルでの資源利用。市民の森保全クラブの課題です。
数年前から林野庁による里山整備の補助金が利用しやすい形になってきている。つまり、資源利用と若齢林の再生を念頭に置いた伐採計画が可能になった。素人では伐採できなかった大径木に公的資金を投入することができ、「公園的でない」管理ができることになったのである。補助金の申請は地方自治体を通じて行うため、行政の担当者自身が里山整備についての知識を蓄積し、指導できることが重要になる。目的が合った行動ができていないボランティアは放置しないで活動団体協議会の設置やセミナー・実習の開催など、知識や技術レベルを上げるための仕組みが必要である。……(伊藤一幸編著『エシカルな農業』99~102頁)
背景・課題
森林・林業を支える山村において、過疎化等の進行に伴い、地域住民と森林との関わりが希薄化し、森林の手入れが行われなくなったことで、竹の侵入等による里山林の荒廃が進行しているため、森林の有する多面的機能の発揮が難しくなっています。森林の多面的機能を持続的に発揮させていくためには、山村地域の住民が協力して里山林等の保全管理や森林資源の利活用を実施していく体制を整えることが不可欠です。
このため、平成25年度から森林・山村多面的機能発揮対策交付金を交付します。
事業内容
地域住民が中心となった民間協働組織(活動組織)が実施する、地域の森林の保全管理等の取組に対し、一定の費用を国が支援します。なお、交付金の申請にあたっては、都道府県単位に設立される地域協議会に申し込みをしてください。ア.地域環境保全タイプ
・集落周辺の里山林を維持するための景観保全・整備活動、集落周辺での鳥獣被害の防止活動、風倒木や枯損木の除去、集積、処理
・侵入竹の伐採・除去活動や利用に向けた取組イ.森林資源利用タイプ
・里山林の広葉樹等未利用資源を収集し、木質バイオマス、炭焼き、しいたけ原木等として利用する活動や伝統工芸品の原料として活用ウ.森林機能強化タイプ(平成27年度より新設)
・事業の円滑な実施に必要な路網や歩道の補修・機能強化、鳥獣被害防止施設の改良等エ.教育・研修活動タイプ(平成27年度より新設)
・森林を利用した環境教育や研修活動
オ.機材及び資材の整備
・上記ア、イ及びウの実施のために必要な機材、資材及び施設の整備
森林の管理は、①用途に合わせて、②健康に持続することを重視し、数十年以上先を想定して行うものであって、動植物の種数が多いことや、眺めて美しいことが本来の管理目的ではない。むしろ、十分な管理の結果として生物多様性が高まることが知られている。
スギやヒノキなどの針葉樹人工林は木材生産が目的で、収穫時期を想定して間伐し、材質が良くなるように管理する。一方、里山二次林は昔は薪生産に都合のよい管理が行われてきた。②の健康に持続させる手法としては伝統的なやり方が一番安全であるが、①の用途は1950年代以降の燃料革命のために消滅し、管理の目標がなくなったので、今では所有者自身が里山林に入ることはほとんどなくなった。里山の大半は放置されたために大木が多くなり、中低木やタケ類の繁茂によって人が踏み込めないヤブになっている。さらにアカマツとナラ類は伝染病で次々に枯死している。……
マツ枯れは1970年代頃から被害が増えて兵庫県下でアカマツ林の多くは壊滅的な状況である。病原体の媒介甲虫であるマツノマダラカミキリの殺虫が被害軽減には最も重要で、枯れ木が燃料に使われた時代(50年ほど前)は焼却で林内のカミキリが殺虫できた。しかし近年は枯死木が放置されるので、殺虫剤の散布なしにはマツ林を持続させることができない。マツタケ山として兵庫県では赤松林を大事にしてきたはずであるが、現実には効果のある防除は実施されていない。里山整備の際に赤松林の再生を目標にする例が増えているが、地掻きなどの伝統的な管理方法では枯死は防げない。伝染病に関する知識と防除予算の継続的投入が必要となることを認識してほしい。
1990年代からブナ科樹木萎縮病(ナラ枯れ)という伝染病が増加した。兵庫県下では、神戸市や篠山市を含む広域で集団枯死被害が続いている。この病気の媒介者であるカシノナガキクイムシは直径10㎝以上の木で繁殖が可能になり、老大木から先に枯れる。各地の里山には昔のような若齢のナラ林はなく、大半が50年生以上で直径が50㎝前後の大木の多い林である。大径木の集団枯死が起こるため、森林の植生が急激に変化する。次項で紹介する学生の演習で植生調査をした結果、ナラ類が枯れた後は常緑広葉樹で暗い場所でも生育できるヒサカキやソヨゴ(陰樹)が多数生え、高木になる落葉広葉樹(陽樹)の芽生えはまったく育たない。常緑の中低木中心の極めて貧相な森林になることが判明した。ナラ類が枯れてもまだ林床が暗く、太陽光が足りないためである。「森林には回復力があって、放っておけばまた元に戻る」と思われがちだが、そこには勘違いがある。……(伊藤一幸編著『エシカルな農業』96~98頁)※市民の森作業エリアのコナラも樹齢40~50歳代です。市民の森における東松山市のマツ枯れ対策の記事
森林が自然に形成されるには長い時間がかかる。草原から始まって、極相林と呼ばれる最終段階の森林までの遷移には数百年かかるといわれている。人間がその途中で伐採すると、遷移が泊まったり、違う方向に進む。……
自然に形成された森林(初代の林)を人が伐って薪や炭に利用すると、広葉樹の一部は切株から芽が出てそれが樹木に育ち、この手法を用いた森林再生は萌芽更新(または“ぼうが”)と呼ばれる。特にナラ・カシ類、シイ類などドングリのなる樹種は萌芽能力が非常に高い。昔から薪炭林にはコナラ、アベマキ、クヌギがよく使われており、適宜植栽されてきたと推測される。萌芽は、切株の養分も利用して1年0.5~1m伸長するが、ドングリからの芽生えでは数年かかって20㎝程度しか伸びず、しかも生き残る株が少ないので効率が悪い。このような樹種による特性を経験的に把握して、昔から薪炭林は萌芽更新により次世代の森林を育てていた。一家族あたり年に1反(約0.1㏊)程度の面積を一斉に伐採(皆伐)し、再生した林を15~30年の間隔で伐採してまた燃料に使うという、非常に効率的な「資源循環」を行っていた。定期伐採により遷移が止まり、クヌギやコナラを主体とする落葉広葉樹林として維持される。コナラやクヌギなど陽樹の生育には十分な日照が必要で、他の樹木が上層に茂った所では育たない。そのため、萌芽再生を促すには、一定面積の樹木を皆伐する必要がある。このような樹木の特性(光や水の要求度)を、昔の農民は十分に知って管理していた。生活や収入に関わる重要な技術だったからである。岩殿C地区のクヌギと市民の森作業エリアのコナラの切株からの萌芽、ドングリからの芽生え(実生)の1年間の伸長を比べると納得できます。
さて、森林の伐採や落ち葉採取が過酷な場合は、土壌の肥料成分が減るが、その貧栄養土壌でも育つことができる樹木がアカマツである。……アカマツ林は江戸時代以降、関西に広く分布しており兵庫県も例外ではなかった。
マツ林も森林の植生推移が人為的に停止した状態である。燃料だけでなく、マツ材(アカマツの梁)やマツヤニなどの資源として重要であった。マツ類は痩せ地でも育ち、治山に適しているので、明治以降の六甲山の治山事業ではクロマツとアカマツが植林されてきた。しかし、今はマツ材線虫病(マツ枯れ)という外来の伝染病によってアカマツ林は急激に減ってしまった。また、マツ林の資源利用がなくなって林床に落ち葉が積もり、土壌が富栄養化した。そのためマツが枯れた後は広葉樹が育ちやすい環境となり、ナラ類やカシ類のほか、ソヨゴなどの常緑中低木が優先する林に変化する傾向がある。ここで注意すべきは点は、土壌の富栄養化によってマツが枯れるのではなく、伝染病で枯れた後に広葉樹が生育することである。病害の遷移への影響はこれまで注目されてこなかったが、実は自然の遷移よりもはるかに急激に、10~20年で植生が大きく変化するため、森林生態系に大きな影響を与えている。(伊藤一幸編著『エシカルな農業』92~95頁)市民の森作業エリアでは尾根沿いにアカマツ林がありますが、伐採跡地には次世代のアカマツは育っていません。
里やまとは日常生活に必要な燃料や肥料を採集していた場所で、勝手に樹木が生えていた森ではない。子孫が資源を永続的に採り続けることができるように、上手に管理されていた。樹木の太さは10㎝ほどの若い広葉樹と、同様に若いアカマツ林が大部分を占めていた。背の低い若木が構成する明るい森だったのである。森林というより、収穫期が長め(15~30年)の畑ととらえるのがむしろ妥当だと思っている。その一部には茅葺きに使うための草地もあり、それも禿げ山とままた違った資源採取地であった。以上の理由で、里山林の所有者は昔も今も農家(集落の共同所有も含む)である。……里山林=雑木林+アカマツ林=農用林+薪炭林という見方をしてほしい。近年、多くの人がイメージする里山は、「大木があって緑豊かな森」となっているが、今はむしろ、「緑が異常に増えすぎてしまった」ため、森林に生息する多様な生物にとって、あるいは森林管理上に好ましいとはいえない状況である。……
森林には様々なタイプや用途がある。里山林とは農村の集落の周囲にある山林を指す。広義では集落近くの人工林も含めるが、一般には人工林を除いた部分を里山林ととらえることが多い。行政上の区分としてはこの里山の林を「天然林」あるいは「天然生林」に分類しているため(林野庁)、まるで原始林・原生林のような手つかずの森のイメージを持つ人が多いが、現在は自然に任せているという意味であり、「天然の林」ではない。人々が生活の資源として使い続けてきた林であり、森林のタイプとしては「二次林」、つまり原生林的な林を伐ったあとに形成された二次的な林である。本稿では里山二次林と呼ぶことにする。田畑の部分は、里山に対する呼び方として近年は「里地」と呼んでいる。(伊藤一幸編著『エシカルな農業』89~92頁)
食品ロスは食品の特徴(消費期限・賞味期限、保存温度等)によって異なると考えられることから、ここでは食品の分類ごとに発生要因を整理した。(1)賞味期限が数時間~2日程度の食品(惣菜、弁当、生菓子など)では、製造業では、発注分+αの見込み生産をするので、追加注文がなければ+α分は食品ロスになり、小売業では売れ残りが食品ロスになります。
図 消費期限・賞味期限および保存温度に基づく食品分類の例
(1)賞味期限が数時間~2日程度の食品(惣菜、弁当等)
(2)賞味期限が数日~1か月程度の要冷蔵の食品(日配品)
(3)賞味期限が数か月以上の食品
常温で保存する食品(缶詰・レトルト食品、菓子類等)
-18℃以下で保存する食品(冷凍食品)
1 惣菜・弁当
惣菜・弁当などは、通常、受注してから生産するのでは納品に間に合わないため、受注量を予測し、欠品とならないよう多めに見込み生産を行う。この結果、販売できなかったものが食品ロスとなっている。また、営業時間の長期化が進み、惣菜・弁当なども24時間体制で製造・出荷する工場も増加しているが、消費期限を従前の製造年月日のように日付単位で設定すると、朝製造したものも夕方製造したものも消費期限が同じとなってしまい、品質の実情に合わないケースが生じる。
2 日配品
日配品は、販売量の管理や配送の効率化のために中間流通(卸売業)を経由しているが、賞味期限が短いことから、基本的に倉庫での保管が困難であり、中間流通における受注調整を行いにくいという特徴がある。このため、メーカーは販売量(注文量)を見込んで生産し、自社倉庫等において、小売店からの注文数に応じて出荷調整を行い、出荷している。
一方、小売店では売上予想に基づいて発注するが、実際の販売数は天候や近隣店での販売状況の影響を受けるため、発注量と販売量に大幅なミスマッチが生じると、売れ残った食品がロスとなる。
3 缶詰・レトルト食品・菓子及び冷凍食品
これらの食品は、メーカーが販売目標に基づき効率的な生産計画を立てて製造している。中間流通(卸売)による受注調整も可能で、先入れ先出しなど保管庫における適切な管理や、納入期限に近付いた商品を関係流通業者等に協力を求めて積極的に販売すること等により、ロスを出さないための対応が行われている。しかしながら、新商品などで販売目標と実販売量の大幅なずれ(見込み違い)や、適期に販売できなかった季節商品、大幅リニューアルした商品の旧版商品等が食品ロスとなっている。
一方、流通上の問題として、外箱の凹みや汚れ、日付の逆転等による受取拒否などがあり、これらは、商品の品質的には問題ないが、通常のルートでは販売することができない。
図 食品ロスの発生と課題
第1章 賞味期限のウソ※この記事の図は「食品ロスの削減・食品廃棄物の発生抑制」(農林水産省)から転載。
①卵は冬場57日間、生で食べられる
②ほとんどの賞味期限は2割以上短く設定されている
③なぜ企業は賞味期限をもっと長くできないのか
④1日古いだけで納品が拒否される「日付後退品」問題
⑤「消費期限」は過ぎたら食べない、「賞味期限」は食べられる
⑥賞味期限より前に棚から撤去されてしまう「3分の1ルール」
⑦賞味期限の切れた頃が一番おいしいものもある!?
⑧消費者のゼロリスク志向が賞味期限を短くさせている
⑨賞味期限に依存しきるのはお金を捨てるのと同じ
第2章 「これ食べられる?」を自分で判断する8つのポイント
⑩免疫力の弱い人、健康状態が優れないときは要注意
⑪すべての食品を怖がる必要はない
⑫店頭で直射日光を浴びていたものは買わない
⑬外食でも家庭でも「生もの」は要注意
⑭「タンパク質」は栄養豊富な分、腐敗もしやすい
⑮スルメもカビる! 水分量15%ラインを知っておく
⑯揚げ物じゃなくても。「見えない油」にご用心
⑰薄味ヘルシー食品は日持ちしない
第3章 捨てるコストはあなたが払っている
⑱なぜ食料不足の被災地で捨てられる食品があるのか
⑲コンビニがスーパーより高いのは「捨てる前提」だから
⑳棚を商品でいっぱいにしておくコストもあなたが払っている
㉑毎日大量にパンを捨てているデパ地下パン屋
㉒恵方巻きもクリスマスケーキも、1日過ぎればゴミ
㉓食品ロス大国日本、ロスの半分は家庭から
㉔売れ残りのコンビニ弁当で貧しい子どもを援助してはいけないのか
㉕京都市はなぜ15年でゴミを半分近く減らせたのか
㉖ハンバーガー1個を捨てるのは浴槽15杯分の水を捨てること
第4章 あなたは、あなたが「買うもの」でできている
㉗「買う」とは、企業と商品に「投票する」行為
㉘「よい自分」「よい社会」を創る買い方チェックリスト
㉙あなたがどんな人間か、買い物カゴの中身でわかる
㉚「買い過ぎていませんか?」と客を諭す英国のスーパー
㉛「2020東京」で食品ロス削減はできるのか
㉜なぜ日本ではドギーバッグが普及しないのか
㉝「割安だから大サイズを買う」はかえってムダ
㉞食べ方のマナーは習うのに「買い方」のマナーは習わない
㉟空腹で買い物に行くと買う金額が64%増える!
第5章 食べ物をシェアする生き方
㊱大手スーパーの売れ残り食品廃棄を禁止したフランス
㊲「おそなえもの」をシェアする「おてらおやつクラブ」
㊳家庭で余っている食べ物を持ち寄る「フードドライブ」
㊴「食品ロス」を「支援」に変える「フードバンク」の活動
㊵郵便配達の人が食品を回収する「Stamp Out Hunger (貧困撲滅)」
㊶低所得者がスーパーで飲食物を受け取れる「フードスタンプ」
㊷余剰農産物の廃棄はなくせるか
㊸店や企業の食品廃棄を「もったいない」と非難する消費者エゴ
㊹スーパーはみんなでシェアする冷蔵庫
㊺自分が消費することで弱者や未来の人の食べる権利を奪わない
今日から家庭でできる、食品ロスを減らすための10カ条
あとがき
主要参考文献
「ガバレ」はエチオピアの言葉で百姓という意味です。私たちは、“もの”の少ないエチオピアのガバレ達の暮らしから「生きること」すなわち生活の原点を学びました。真の意味で豊かな生活を作るのは、世界中のガバレ=百姓に他ならないと思っています。※改修した蚕屋(HPから)
タスクフォースには国土交通省や農林水産省の幹部が参加し、景観の保全や農家に宿泊する「農家民泊」などを推進するための方策を検討。今年度末に取りまとめを行う方針。政府は9月5日、「歴史的資源を活用した観光まちづくりタスクフォース」の第1回会合を開催した。タスクフォースは今年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき組織したもので、内閣官房長官の菅義偉氏が議長を務める。地方の古民家などを再生・活用し、魅力ある「観光まちづくり」を推進するための方策を検討することが目的で、今年度中の取りまとめを予定する。
今回のタスクフォースの設置は、日本版DMO候補法人に登録されている一般社団法人ノオトによる取り組みがきっかけ。ノオトは兵庫県篠山市の農村集落の古民家をオーベルジュにリノベーションするなど、集落や地域の再生に取り組んでおり、政府はノオトの取り組みを成功事例の1つとして、全国に拡大し地方創生につなげたい考え。今後の会合では、全国拡大に向けた課題点や対応策などについて検討を進める。
第1回会合では、NPO法人の尾道空き家プロジェクトなど、古民家の活用などに取り組む自治体や法人など、4者からヒアリングを実施。……
農家民宿『西原ife 体験宿したで』で住民と移住者を結びながら地域を元気にしたい(NPO 法人さいはら理事移住定住促進事業担当(移住コーディネーター)長田容子(おさだようこ) さん)
21歳のころ、これからどのように生きていくかを日々考えていた私は、夜大学に通いながら、昼間はアルバイトをして生き急ぐかのような生活を送っていました。
そんな時に出逢った「農家民泊」という言葉。この言葉が書かれた本には、死ぬまで里山で暮らし続けることが仕事になるというおばあちゃんの生き方が書かれていました。私は、この農家民宿が人の使い捨てのような仕事ではなく、本物の仕事になるような気がして憧れました。そしていつしか「古民家で農家民宿をやりたい」という夢に変わっていきました。
ある時、西原地区に移り住み畑仕事や自然環境の活動を続けていた同い年の夏目暁子さんをインターネットで知りました。私は、女性一人で移住し地域に溶け込む夏目さんに興味がわき、その活動に顔をだすようになりました。手つかずの自然、人も純粋でまっすぐなところ。私は、都会で感じることのできない感覚に衝撃を受け、「ここに住みたい」と強く思いました。ただそう思ってもなかなか住む家が見つかりません。そんな私に「畑なら貸してやる」といってくれたのが中川智さん。中川さんは、弟の仁さんとともに鍬を使った伝統的な農作業を続けている方。これを絶好のチャンスととらえた私は、慣れない畑の開墾を始めました。結局は、中川さんに手伝ってもらう始末でしたが、中川さんとの出会いがきっかけで住む家も見つかり平成19 年11月に移住することができました。
現在、私は、NPO法人さいはらの理事を務め、市から移住定住促進事業を請け負っています。また、移住の経験を生かして地域の移住コーディネーターも務めています。
そして、10年前から追い求めていた夢は、時代の流れ、人との出会い、絶妙なタイミング、そして多くの方の協力と支えで叶えることができました。きっとこの西原は、夢を叶えられる地域なのだと思います。
住民と移住者を結びながら地域を元気にする。そんな新たな夢を持ちながら、地域で稼ぎ生活していくことができる仕組みをこの西原でつくっていきたいです。
住民自治の形や循環型の社会がここにある(ECOM代表森良さん)
今回の古民家再生ワークショップは、先人たちの知恵がつまった築約150年の古民家を長田さんが「壊すのはもったいない」と呼びかけてはじまったものです。ワークショップでは、毎回首都圏から集まる参加者が地元の職人さんから技術を学びながら、西原の土や木を使って改修していきました。この取り組みで感じたことは、「あるものを使ってつくる。すべて西原のもので衣食住がまかなえる」そんな循環型の社会がここ西原地区には残っているのだと感じました。このことは、とても貴重なことです。私は、その西原地区の魅力を形にしたのが農家民宿「西原ife 体験宿したで」だと思います。
明治以来、市民の行政依存が強まっていったなかで、自分たちのことは自分たちでやるという本来の住民自治の形や循環型の社会がここにあるのだと感じました。西原地区は、循環型社会の拠点ともなりうる可能性を秘めた地域だと思います。私たちECOMは、持続可能な地域づくりを応援する団体です。長田さんやNPO法人さいはら、そして西原地区をこれからも応援していきたいと思います。